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コロナ禍における受診抑制の危険性
がんと脳・心臓の循環器系疾患は特に注意

東京国際クリニック 医師監修
東京国際クリニック 医師監修

2019年暮れに中国武漢市を発端とした新型コロナウイルス感染症は、南極大陸を含む全世界にパンデミックとして蔓延し、いまだに変異しながら猛威をふるい続けています。医療機関のひっ迫状態も伝えられる中、慢性の病気を抱える患者様にとっても、なかなか外出もままならない状態で、受診控えや先送りの問題が報道でも取り上げられる事態となっています。

コロナ禍における受診抑制の危険性
がんと脳・心臓の循環器系疾患は特に注意

1. 感染の不安が受診控えにつながる

受診控えは危険だという前に、なぜ患者様は受診控えという行動をとるのかを考えてみたいと思います。

産経新聞と大阪の病院の共同調査(全国の中高年3,118人からの回答)によれば、感染対策による行動制限を強いられているなかで、体調や気持ちの変化として感じていることとして「先行きに不安を感じる」という回答が約3割、「ストレスがたまりやすい」も3割強でした。ご自身の体調や気持ちに変化があるのに「何もしなかった」という人は5割以上で、自分自身で抱え込んでしまった状況がみられました。

医療機関に対しては、「待合室などでの感染が不安」「医師や職員からの感染が不安」「医療機関に行くまでの交通機関などでの感染が不安」などが挙げられました。

2. SBIメディックの会員様の状況

SBIメディックには全国に会員様がいらっしゃいます。お話を伺うと、長距離、長時間、公共交通機関を使用することによる感染や、東京という街中などでの感染に恐怖を感じる方も少なくありません。また上京されてから地元に帰られると「あの人は東京から帰ってきた」と差別を受けることもあり、それが嫌だからとのお答えもありました。

会員様からもスケジュールを2か月、3か月延期されたり、キャンセルのご連絡も多くいただきました。しかし昨年の夏以降は少しずつ元に戻りつつあります。

3. 東京国際クリニックの万全の感染対策

こうした状況に対して、当クリニックでは検査機器はもちろん診察室などでも万全の感染防止対策を実施しています。完全予約制でできるだけお待ちいただく時間を抑え、医療従事者やスタッフの手指消毒等も徹底しています。また遠方の会員様にはオンライン診療や、メールやお電話などでのご相談にも対応し、何とかこのコロナ禍の期間も医療機関としての責任を果たすべく努力を続けております。

4. 受診控えが危険なのは、がんと循環器系疾患

患者様の受診抑制で危険をもたらすのは、主にがんと脳・心臓の循環器系疾患といわれ、これらの疾患では最悪死につながるような危険な状況も発生しています。

がん

図1は公益財団法人日本対がん協会の全国29支部の調査で、がん患者様が受診した件数を3年間月別に比較したものです。2020年度は前年度の1~3割減で最大300万件の検診・受診控えが見込まれ、国立がん研究センターのデータを元にした計算では、受診控えにより2020年度、約4万人ものがん患者様を見逃すことになるとのことです。

(図1)

さらに図2は、「3か月の受診遅れが10年生存率に与える影響」を調べた英国の調査です。発症年齢とがん腫の部位別に調べていますが、3か月の受診遅れにより10年生存率は平均で10%以上短縮し、がん腫によっては18%超低下しているケースもあります。

(図2)日本癌治療学会第58回学術集会 理事長講演より

こうした背景を受けて、日本対がん協会では「がん検診は不要不急ではありません」と題して緊急メッセージを発出して、がん検診の先延ばしを何とか食い止めようとしています。検診を先延ばしすることで、進行がんになってから発見される人が増え、それががんの死亡率上昇を招くとしています。

循環器系疾患

▼心臓病
コロナ禍では万一発症して救急車を呼んでも、すぐに病院搬送が可能になるとは限りません。ここでは大きく4つの原因を挙げたいと思います。

①運動不足
外出自粛やテレワークは運動量全体の低下を招き、メタボリック症候群から狭心症や心筋梗塞を生じる母地となります。

②受診控えによる前兆発見遅れ
圧迫されるような痛みなどの危ない胸痛の兆候を見逃すことにより、スピード重視の心臓病の治療に大きな影響を及ぼします。

③糖やコレステロールの増加
運動不足や過食、家飲みの習慣で中性脂肪や悪玉コレステロール、血糖値が増加し、心血管への悪影響につながります。

④慢性疾患の薬切れ
薬が切れても医療機関を訪れないという方もいらっしゃいます。特に高血圧や糖尿病などの慢性疾患を放置することで、合併症が起きる可能性が高まります。

▼脳出血・脳梗塞
心臓病と同様、運動不足は脳血管にも大きく影響します。生活習慣病を指摘されている方は、外出抑制の期間にメタボリックシンドロームの各数値(腹囲、体重、コレステロールなど)が上がることも考えられます。さらにステイホームでは「間食」と「家飲み」が大きな問題になっています。また、受診控えによる抗凝固剤の薬切れは血栓を発生させ、脳梗塞を生じる原因になることもあります。

血管への負担を極力少なくするためのポイントは「間食や家飲みを控えて、努めて歩く」ということです。

【会員様へのメッセージ】
ご体調に何か変化はございませんか?人間ドックを1年に1回、同じ時期にお受けになることは、単なる病気の発見にとどまらず、血圧やコレステロールの上昇など、長い目で見たご自身の体調の大きな変化を見つけることにつながります。さらには将来かかりうる疾患に対する予防的な治療も可能になります。体調や受診に関して不安に感じることなどがございましたら、まずは何なりと当クリニックのナースコンシェルジュにご相談ください。

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