がんステージ4の完治する確率は?
諦めない治療法と生存率の可能性

SBIメディック 編集部
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がんステージ4の完治する確率は?諦めない治療法と生存率の可能性

がんのステージ4は、がんが原発部位を超えて遠隔転移した最も進行した段階ですが、必ずしも「治療ができない」「すぐに終末期に入る」という意味ではありません。近年は、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの治療が登場し、がんの種類や体の状態によっては、症状を抑えながら長く生活できるケースや、治療によって病状が落ち着く(寛解)ケースも報告されています(※)。本記事では、ステージ4の定義や診断基準、ステージ4と末期がん(終末期)の違い、5年生存率の正しい見方、治療の選択肢(化学療法・放射線療法・免疫療法など)、そしてQOL(生活の質)を支える緩和ケアの役割について解説します。

※【速報】 進行・再発胃癌/胃食道接合部癌治療に対する3次治療以降における ニボルマブのプラセボ対象二重盲検ランダム化第III相試験(ATTRACTION-2)に関する日本胃癌学会ガイドライン委員会のコメント
https://www.jgca.jp/wp-content/uploads/2023/08/news20171116.pdf

がんステージ4とは?末期がんとの違いや診断基準

がんの「ステージ4」とは、がんが原発部位を超えて遠くの臓器やリンパ節に転移した最も進行した段階を指します。一方で、「ステージ4=末期がん(終末期)」とは限りません。こちらでは、がんの進行度を示す「ステージ(病期)」の定義や診断基準についてご説明するとともに、ステージ4と末期がんの違いについて解説します。

ステージ4の定義と診断基準

がんのステージは、がんの進行度を示すTNM分類(Tumor・Node・Metastasis)に基づいて決定されます。

・T(腫瘍):がんの大きさや周囲への広がりの程度
・N(リンパ節):リンパ節への転移の有無
・M(遠隔転移):他臓器への転移の有無

一般的に、M1(遠隔転移あり)と診断されると、がんはステージ4(Ⅳ期)に分類されます。以下は、主な転移部位別の症状です。
※症状がない場合もあります。

転移部位主な症状・特徴
肝臓黄疸、倦怠感、肝機能低下など
肺咳、息切れ、胸痛など
骨骨痛、骨折、高カルシウム血症など
脳頭痛、けいれん・[一貝1.1]麻痺などの神経症状
腹膜腹水によるお腹の張り、食欲不振、便秘、体のだるさなど

※上記はあくまで「例」です。症状の出方はがんの種類、転移の大きさや場所、体の状態などによって大きく異なります。

「ステージ4」と「末期がん」の医学的な違い

がんの「ステージ4」と「末期がん」は、同じ意味ではありません。ステージ4は、がんが原発部位から離れた臓器へ転移する遠隔転移が認められるなど、がんが全身に広がった最も進行した病期を指します。あくまで病状の広がりを示す医学的なステージ(病期)であり、「治療ができない」ことを意味するものではありません。近年は、治療法や薬剤の進歩によって、ステージ4であっても治療によって長期生存や症状のコントロールが可能なケースが増えています。

一方、末期がんは、有効な治療法がなく、がんの根治が見込めない終末期の状態を指します。この段階では、延命よりも苦痛の緩和やQOL(生活の質)の維持向上を目的とした緩和ケア中心の医療が行われます。

がんステージ4の生存率

がんがステージ4と診断されると、「余命が短いのでは……」とと不安になる方は少なくありません。しかし、近年は治療法や薬剤の進歩もあり、症状を抑えながら長く生活している例や寛解(症状が消失した状態)を実現する例も増えています。こちらでは、がん統計で用いられる「5年生存率」の正しい見方や、ステージ4から症状を抑えながら長く生活している人や寛解した人の特徴などについてご説明します。

5年生存率の正しい見方とデータ

5年生存率は、「がんと診断されてから5年後に生存している人の割合」を示す指標です。5年後にがんが残っていても生存していれば「生存」に含まれます。

なお、5年生存率にはいくつかの算定方法があります。「実測生存率」は、死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた生存率なので、がん以外の原因で亡くなった人も含まれています。これに対し、「ネット・サバイバル(純生存率)」は、純粋に「がんのみが死因となる状況」を仮定して計算する方法で、国際的に広く用いられています。

下の表は、国立がん研究センターが公表している「院内がん登録2014-2015年5年生存率」から、主要ながんのⅣ期(ステージ4)のネット・サバイバルを抜粋したものです。

部位ステージ4(Ⅳ期)のネット・サバイバル
食道がん8.7%
胃がん6.3%
大腸がん18.3%
肝細胞がん4.4%
肝内胆管がん6.0%
胆のうがん2.1%
膵臓がん1.6%
小細胞肺がん2.2%
非小細胞肺がん9.0%
喉頭がん47.1%
女性乳がん39.8%
子宮頸がん25.9%
子宮体がん21.5%
卵巣がん27.8%
前立腺がん60.1%
腎がん18.7%
膀胱がん18.3%

※参考:院内がん登録生存率最新集計値:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]
https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/hosp_c_reg_surv/latest.html

長期生存した人の特徴とは?

がんステージ4と診断されても、症状を抑えながら長く生活している人や寛解を実現している人はいらっしゃいます。統計で示される5年生存率はがんの部位全体の平均値であり、実際の経過には大きな個人差があることを理解しておくことが大切です。同じステージ4でも、がんの進行速度や転移の部位、全身状態、治療への反応性などによって、予後は大きく異なります。

ステージ4から症状を抑えながら長く生活している人や寛解を実現している人の傾向の一つとして、がんの性質(分子タイプや遺伝子変異)に応じて最適な治療法を選択している点が挙げられます。また、手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法を総合的に組み合わせた「集学的治療(マルチモーダル治療)」が治療成績の向上に重要だとされています。

がんステージ4の主な治療法と最新の選択肢

ステージ4のがんは遠隔転移を伴う最も進行した段階ですが、近年は、従来の化学療法や放射線治療に加え、最新の免疫療法が大きな成果を上げています。こちらでは、化学療法、放射線治療、免疫療法、それぞれの治療法の特徴や目的などについてご説明します。

①化学療法(抗がん剤治療)

化学療法は、抗がん剤を用いて体内に広がったがん細胞の増殖や転移を抑える治療法です。がん細胞は全身の血流やリンパを介して広がる性質があるため、化学療法は全身に作用する「全身治療」として位置づけられます。ステージ4のがんの場合、化学療法はがんの進行を遅らせ、症状を軽減し、QOLを維持しながら生存期間を延ばすことを主な目的として行われます。

化学療法の副作用としては、吐き気・嘔吐、食欲不振、脱毛、口内炎、下痢、白血球減少、貧血、倦怠感などが挙げられます。これらの副作用は抗がん剤の種類や投与量、体力や免疫状態などによって異なります。近年は、制吐剤(吐き気を抑える薬)や白血球の回復を促す成長因子製剤の併用、栄養サポートなどの総合的な対策によって、副作用を軽減しながら治療を続けやすくなっています。

②放射線療法

放射線療法は、高エネルギーのX線や電子線などを照射して、がん細胞のDNAを損傷させ、増殖や再発を抑える治療法です。ステージ4のがんにおいて、放射線療法は根治を目的とするよりも、転移による痛みや神経圧迫、出血などの症状を軽減し、QOLを維持する「緩和的放射線治療」として用いられるのが一般的です。

現在では、定位放射線治療(SRT/SBRT)や強度変調放射線治療(IMRT)などの高精度放射線治療が普及しています。これらの方法では、コンピューター制御により放射線を三次元的に集中照射することができ、周囲の正常組織へのダメージを最小限に抑えながら、限局した転移巣を的確に狙うことができます。その結果、一部の患者では局所制御(がんの再増殖を防ぐ)や延命効果が報告されています。

③免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬など)

免疫療法は、人間が本来持つ免疫の働きを活性化させて、がん細胞を攻撃する力を取り戻す治療法です。がん細胞は、自らを「異物」として認識されないよう免疫の働きを抑制しようとします。免疫療法はがんによって弱められた免疫の働きを回復させ、体内の免疫細胞が再びがん細胞を攻撃できる状態をつくり出します。免疫療法は化学療法や放射線治療と併用されることも多く、がんの縮小や再発抑制、延命効果が報告されています。

免疫療法が効果を発揮しやすいのは、肺がん、腎がん、悪性黒色腫(メラノーマ)、大腸がん(MSI-High型)など、特定の遺伝子変異や免疫関連マーカーを有するがんです。治療の適応を判断するためには、バイオマーカー検査を行い、がん組織が免疫療法に反応する可能性があるかを確認する必要があります。

QOLを高める緩和ケアの役割

緩和ケアとは、がんや治療による痛みや不安を軽減し、その人らしく生活することを支えるためのケアのことです。近年は、がんと診断された時から緩和ケアを取り入れることで、QOLの向上を図る取り組みが増えています。こちらでは、身体的・精神的な苦痛を和らげる方法や、ホスピスと在宅緩和ケアの選び方についてご説明します。

身体的・精神的な苦痛を和らげるには

緩和ケアは、がんやその治療によって生じる身体的・精神的な苦痛を和らげ、本人のQOLを維持・向上させることを目的としています。

痛みに対しては、オピオイド(医療用麻薬)や鎮痛補助薬を使用し、倦怠感や食欲不振に対しては、栄養管理や軽い運動療法を行います。吐き気や嘔吐に対しては、制吐剤の使用や、点滴による水分・電解質の補給を行います。また、がんに伴う不安や抑うつ、孤独感に対しては、臨床心理士や精神腫瘍医によるカウンセリング、サポートグループ(がん患者や家族が体験を共有し、支え合うための集まり)、音楽療法、マインドフルネスなどが活用されます。

ホスピスと在宅緩和ケアの選び方

緩和ケアには、「ホスピス(緩和ケア病棟)」と「在宅緩和ケア」の2つの選択肢があります。いずれも、がんやその治療によって生じる痛みや不安を和らげ、できる限り穏やかに過ごすことを目的としていますが、過ごす環境や受けられるサポート内容に違いがあります。「どこで、誰と、どのように過ごしたいか」という本人とご家族の希望をもとに、納得のいく選択をすることが大切です。

ホスピス在宅緩和ケア
特徴医療スタッフが常駐し、24時間体制で症状管理を受けられる定期的に訪問診療や訪問看護を受けながら、自宅で過ごせる
費用目安1日約5,000円〜15,000円1日数百〜数千円(訪問回数により変動)
サポート内容症状コントロール、リハビリ、家族支援など訪問診療・看護、緊急対応、家族支援など

まとめ

ステージ4のがんと診断されても、症状を抑えながら長く生活している人や寛解を実現している人もいらっしゃいます。しかし同時に、がんはステージが進むほど治療の選択肢が限られ、生存率も低下することが各種の統計から明らかになっています。だからこそ、「ステージ4まで進行しないように予防すること」「より早い段階で発見すること」が極めて重要です。

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