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検査を受けて将来の認知症リスクを知る
正確な診断の重要性と最新の治療

東京国際クリニック 医師監修
東京国際クリニック 医師監修

最近もの忘れがひどい。同じことを言ったり聞いたりする。ささいなことで怒りやすくなった。というようなことはありませんか?ご自身になくても身近な人にこのようなことがあると、「認知症では?」と心配になります。認知症を正しく理解しておくことは、会社経営をされる方にとっても将来の事業継承などに役立ちます。

そこで、当クリニックの連携病院である慶應義塾大学病院の副病院長三村將先生に、認知症についてお話を伺いました。

1. 早期に正しい診断が欠かせない認知症

「認知症」は単一の病名ではなく症候群です。つまり認知症という病気があるのではなく、様々な病気を総称して「認知症」と呼んでいるのです。認知症の定義は「いったん発達した認知機能が何らかの原因により持続的に低下し、意識障害はないものの日常生活や社会生活に支障を来すようになった状態を指す」とされています。

また認知症の症状は、うつ病や正常圧水頭症、硬膜下血腫などとよく似ています。うつ病や正常圧水頭症の症状は治療により治りますが、認知症は後述のように全快することが現状では困難な疾患です。その点でも正しい診断は欠かせません。

検査を受けて将来の認知症リスクを知る
正確な診断の重要性と最新の治療

2. 認知症によるもの忘れと加齢に伴うもの忘れの違い

もの忘れが少し強くなると、ご家族の方と共にもの忘れ外来を訪れる方も少なくありません。また最近では、ご本人自ら「近頃、もの忘れがひどくて・・・」と訴えて受診される方もいます。ただここで知っておいていただきたいのは、加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れは違うという点です。

3. 認知症の種類と特徴

認知症は大別すると下記の4種類があり、わが国ではアルツハイマー型認知症が認知症全体のおよそ6割を占めています。診断により、どの認知症なのかをしっかりと見極めることが必要です。

  • アルツハイマー型認知症
    脳内に異常なタンパク質(アミロイド、タウ)が蓄積し、神経細胞が変性・脱落することによって起こる。最初にもの忘れが起こる。
  • 血管性認知症
    脳梗塞など脳血管障害により神経細胞が障害され、機能が低下していく。歩行障害、言語障害などを伴う。
  • レビー小体型認知症
    大脳皮質や脳幹部の神経細胞内にαシヌクレインという異常なタンパク質が出現し、細胞機能が障害されていく。幻視が現れ、筋肉のこわばりや動作の緩慢さが見られる。
  • 前頭側頭型認知症
    判断力や行動を司る前頭葉や側頭葉の神経細胞が変性し、萎縮が見られる。理性や感情の制御が困難になり、性格や行動の変化が現れる。若年性のことが多い。

4. アルツハイマー型認知症の進行

アルツハイマー型認知症の症状は、個人差はあるものの時間と共にゆっくりと進行します。脳内に15年~20年かけてアミロイドやタウという物質が少しずつ蓄積していきます。現在、日本では無症状でも65歳以上の6人に1人にはすでに脳内にアミロイドが溜まっていると言われていて、その状態を「前臨床アルツハイマー病」と呼んでいます。

認知症の次の段階には、正常と認知症との中間ともいえる「MCI」(軽度認知障害)と呼ばれる期間があります。種々の検査を早期に受けることで、いまは全く認知症の症状がなくても将来認知症になるリスクが判明します。

5. 早期発見のための検査

認知症の検査には、以下のように様々な検査法があります。

脳血流SPECT検査脳の血流の状態を見る画像検査。
アミロイド-PET検査脳内のアミロイドの分布をみる画像検査。蓄積があれば10年後くらいにアルツハイマー型認知症になる可能性が高いと言える。
記憶検査年齢、3つの単語の即時記銘、計算、数字の逆唱などの検査。
脳MRI検査脳全体の形態や海馬の萎縮の度合いを見る画像検査。
ApoE遺伝子検査少量の採血で、アルツハイマー型認知症の発症に重要な遺伝子のApoEの型を調べる検査。
ミアテスト採血によりバイオマーカーであるマイクロRNAを調べる検査。
MCIスクリーニング検査採血によりアミロイドの排除や毒性を弱める3種のタンパク質を調べる検査。

※検査の項目中、●青色は慶應義塾大学病院で実施している検査、●赤色は東京国際クリニックで実施している検査です。

6. 認知症の最新治療薬について

現在、アルツハイマー型認知症の治療には、症状の進行を遅らせるために4種類のお薬が使われています。ただ、病気によって変性した脳の神経細胞は元には戻すことはできません。お薬の治療によって、残された神経細胞のはたらきを高め、認知症状の維持を目指すという治療になります。

今年、アメリカで新薬「アデュカヌマブ」が承認され話題となっています。このお薬は、脳内のアミロイドを減少させる作用があり、今までの薬剤が対症療法であったのに比べ、病気の進行そのものに直接介入するはたらきを持つ「疾患修飾薬」です。MCI後期の段階~軽度認知症に適用されるお薬で、現在日本でも承認申請中です。

【認知症をご心配の方へメッセージ】
いま、「認知症ノイローゼ」の方が増えています。単なるもの忘れは過剰にご心配になる必要はありません。現在では、MCIになる前の段階でもアミロイドPETなど最新の検査機器を使って診断をすれば、将来のリスク予測を行うことが可能です。また、認知症は決して絶望するような状態ではありません。意思決定ができなくなるには長い時間がかかります。早めに受診してご自分の状況が判れば、安心して過ごしていくことができると思います。

【東京国際クリニックからのお知らせ】
当クリニックでは、認知機能検査や脳MRI検査、前述のもの忘れに関する遺伝子検査も行っております。検査結果を踏まえ、より精密な検査・診断が必要と判断した場合は、連携する慶應義塾大学病院へご紹介させていただき、認知症への早期対応を実現しております。詳細は、SBIメディック・コンシェルジュデスクまでご相談ください。

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