

人間ドックの項目としてよく耳にする「MRI検査」ですが、「どのようなメリットのある検査なのか?」「どのくらいの費用がかかるのか?」といった疑問を持つ方は少なくありません。MRI検査の費用は、医師の指示による診断目的の場合は健康保険が適用されますが、人間ドックなどで任意で受ける場合は自費診療(全額自己負担)となります。本記事では、MRI検査の概要や費用のほか、PET検査との比較や検査時の注意点などについて解説いたします。
MRI検査とは?PET検査との違いも解説

MRI検査とは、強力な磁石と電磁波を利用して体の断面を撮影する検査で、脳や脊椎、関節や内臓などの軟部組織を詳細に映し出すことができます。X線を使わないため、放射線被ばくの心配はありません。
一方、PET検査は放射性薬剤を体内に投与し、細胞の代謝活動を画像化する検査で、主にがんの活動性や転移・再発の有無を評価する際に用いられます。MRIが「形の異常」を調べるのに適しているのに対し、PETは「がん細胞の活動性」を把握するのに適しており、それぞれ役割が異なります。検査時間は、検査の部位や数、撮影範囲によって異なりますが、目安としてはMRI検査が30~60分程度、PET検査が2時間程度です。
PET検査については以下の記事で詳しく解説しています。
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PET検査とは?費用や方法をわかりやすく紹介!
MRI検査はどういう人がどういったケースで受診する?
MRI検査は、医師が診断のために必要と判断した場合は保険が適用されます。たとえば、頭痛やしびれ、めまいなどの原因を詳しく調べたい場合や、脳、脊椎、関節、内臓などの病変が疑われる場合に行われます。また、レントゲンやCTで異常が見つかった部位を精密に確認する目的でも行われます。
MRI検査を受けた方が良い人とは
- 頭痛、めまい、しびれなどの症状が続き、原因が特定できていない人
- 視野障害、ふらつき、言語のもつれなど、神経症状が出ている人
- 健康診断や人間ドックで脳や脊椎などに異常の可能性を指摘された人
- 脳梗塞・脳腫瘍・脊椎狭窄症などの家族歴があり、自身もリスク管理をしたい人
- 関節痛や運動障害があり、レントゲンやCTで原因が分からなかった人
- 原因不明の体調不良が続き、筋肉や靱帯など軟部組織の詳しい評価が必要と考えられる人
MRI検査はなぜ受けたほうがよい?
MRI検査は、脳・脊髄・脊椎(頚椎・胸椎・腰椎)・骨盤内臓器(子宮・卵巣・前立腺・膀胱)・腹部臓器(肝臓・胆のう・胆道・膵臓・腎臓・副腎)・心臓・大血管・四肢の筋肉・腱・靱帯・関節(肩・肘・手首・股関節・膝・足首)・乳腺・頸部(甲状腺・リンパ節)など、全身の幅広い軟部組織や血管構造を詳細に画像化できる検査です。強力な磁場の中で体内の水分子が反応する性質を利用し、その動きから得られる信号をコンピューターで解析することで、断層画像を作り出します。これにより、軟部組織の微細な違いが視覚化され、形状や状態を高精度に描写できます。
MRI検査は、脳梗塞や脳腫瘍、椎間板ヘルニアや子宮・卵巣の腫瘍などの早期発見に有効です。X線を使用しないため被ばくの心配がなく、体への負担が少ない点もメリットです。レントゲンやCTで異常が見つからなかった場合でも、MRIによって異常が明らかになることがあります。医師からMRI検査を勧められた場合は、原因の特定や治療方針の決定のため、早期に受診することをおすすめします。
MRI費用の相場はいくら?保険適用と自費診療の違い

MRI検査の費用は、健康保険が適用される場合と自費診療の場合で大きく異なります。医師が診断のためにMRI検査が必要だと判断した場合は健康保険が適用されます。一方、人間ドックなど任意で受けるMRI検査は自費診療となります。こちらでは、次の4つの観点でMRI検査の費用について解説します。
- 保険診療の費用相場
- 自費診療(人間ドックなど)の費用相場
- 部位別の費用相場
- 造影剤を使用する場合の追加費用
①保険適用(3割負担)の場合の費用
医師が診断する目的でMRI検査が行われる場合は健康保険が適用されるため、自己負担額は3割になります。金額にすると5,000円〜10,000円前後が相場ですが、検査する部位や使用するMRI機器の性能などによって変わってきます。
MRI機器の性能は、主にテスラ(磁場の強さを示す単位)によって決まります。多くの医療機関で導入されている1.5テスラのMRIは標準的な解像度を備えており、一般的な診断目的であれば十分な画像精度を得られるうえ、費用も比較的抑えられています。一方、高精細な画像を得られる3.0テスラのMRIは微細な病変まで検出できますが、そのぶん費用も高めで、8,000円〜15,000円程度になります。
②自費診療(人間ドックなど)の場合の費用
症状がなく、健康状態の確認やがん・脳疾患などの早期発見を目的としてMRI検査を受ける場合は、自費診療(全額自己負担)となります。このように、医師が診断目的で検査を指示したわけではなく、本人が任意で受ける場合は健康保険が適用されません。
自費診療の場合のMRI検査費用も、検査する部位や使用するMRI機器の性能などによって変わってきますが、20,000円〜50,000円前後が一般的です。詳しくは後述しますが、たとえば頭部MRIは25,000円〜40,000円程度、全身MRIの場合は40,000円〜60,000円程度になります。また、造影剤を使用する場合は高めになります。
③部位別の費用相場【頭部・腰・膝など】
MRI検査の費用は、検査する部位によって異なります。部位別の費用相場を、保険診療と自費診療の場合に分けてご紹介します。
| 保険診療 (3割負担) | 自費診療 (全額自己負担) | 特徴 | |
|---|---|---|---|
| 頭部MRI | 8,000円〜10,000円 | 25,000円〜35,000円 | 脳梗塞・脳腫瘍などの検出に有効 |
| 頸部MRI | 8,000円〜10,000円 | 25,000円〜40,000円 | 頸椎症・椎間板ヘルニアなどの評価に有効 |
| 心臓MRI | 8,000円~12,000円 | 30,000円~50,000円 | 心筋症、虚血性心疾患、心機能評価などに有効 |
| 腹部MRI | 8,000円〜10,000円 | 30,000円~45,000円 | 肝臓、胆のう、膵臓、腎臓の評価 |
| 腰部MRI | 7,000円〜9,000円 | 20,000円〜45,000円 | 椎間板ヘルニア・神経圧迫などの確認 |
| 膝関節MRI | 6,000円〜8,000円 | 20,000円〜30,000円 | 靭帯損傷・半月板損傷などに有効 |
| 骨盤MRI | 8,000円〜10,000円 | 30,000円〜45,000円 | 子宮・卵巣・前立腺などの腫瘍診断 |
| 全身MRI | 原則として保険適用外(自費診療) | 50,000円〜120,000円 | がんの全身スクリーニング |
④造影剤を使用する場合の追加費用
MRI検査では、病変の位置や性状をより明確に把握するために造影剤を使用する場合があります。造影剤とは、体内に注入することで一時的に血管や腫瘍などの状態を分かりやすく確認できるようにするための薬剤で、腫瘍の良性・悪性を判別する際などに用いられます。MRI検査で使用される造影剤は「ガドリニウム製剤」と呼ばれ、アレルギーなど副作用のリスクが低く、検査後には体外へ自然排出されます。造影剤を使用するかどうかは、疾患の疑いなどによって医師が判断します。
造影剤を使用した場合、通常の検査費用に加え、5,000円〜10,000円程度の追加費用が発生します。たとえば、保険診療で非造影MRIが8,000円だとすると、造影MRIの場合は13,000円~18,000円程度になります。
MRI検査を受ける際の注意点
MRI検査は強い磁場を利用するため、安全に検査を受けるためにもいくつかの注意事項を守る必要があります。「MRI検査前に確認すべきこと」と「MRI検査を受けられない可能性がある人」について詳しくご説明します。
MRI検査前に確認すべきこと
MRI検査は強力な磁場と電波を利用して体内の断面画像を描き出す検査であり、検査室内には常に非常に強い磁力が発生しているため、金属類の持ち込みは厳禁です。時計やアクセサリー、ベルトの金具、補聴器、磁気カードなどは強力な磁場に引き寄せられ、機器の故障や事故につながる恐れがあります。また、湿布やカイロ、化粧品(特にラメ入りの化粧品)にも微量の金属成分が含まれていることがあり、やけどや画像の乱れを引き起こすことがあります。そのため、これらはすべて外し、ノーメイクで検査を受けるのが原則です。さらに、腹部や骨盤部の検査では、消化管の動きや内容物が画像に影響するため、食事制限が必要になる場合があります。医師から指示がある場合は、指定された時間以降の飲食を控えるようにしましょう。
MRI検査を受けられない可能性がある人
MRI検査は強力な磁場を利用するため、心臓ペースメーカー、人工内耳、脳動脈クリップ、整形外科用インプラントなどを装着していると磁気の影響で機器が誤作動を起こす恐れや、体内で動いて損傷を与える恐れがあります。このように、体内に金属や電子機器が埋め込まれている方はMRI検査を受けられないことがあります。
また、MRI機器はトンネル状で閉塞感が強く、閉所恐怖症の方にとっては大きなストレスになることがあります。医療機関によっては開放的な構造で圧迫感が少ない「オープン型MRI」を導入しているところもあります。当院では、閉塞感を軽減するため、MRI装置にスター・プロダクト社のプロジェクションマッピングシステムを導入しています。筒内(ボア内)に映像を投影することで、検査中の不安や緊張を和らげます。
※※※プロジェクションマッピングの画像を挿入予定
まとめ
健康は何よりの資本であり、健康を維持するためには、体の不調やリスクを早期に把握することが重要です。MRI検査は高額に感じられるかもしれませんが、重大な病気を未然に防ぐための「先行投資」だといえます。SBIメディックの人間ドックでは、高精度なMRI検査はもちろん、MRIを2台体制で運用することで全身のスクリーニング検査にも対応しています。これにより、がんや生活習慣病などの潜在的なリスクを多角的に評価できる最先端の検査を提供しています。
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