

人間ドックや健康診断の結果に「要精密検査」や「再検査」の記載があると、多くの方は不安になるものです。要精密検査も再検査も、健康状態をより詳しく把握するために必要なステップですが、その違いを正しく認識できていない方もいるかもしれません。正しく認識できていないと必要な検査を受けそびれ、病気の早期発見・早期治療の機会を逃してしまう可能性があります。そこで本記事では、要精密検査と再検査の違いや、それぞれの検査の目的、検査を受けるべき場所や費用の負担などについて解説いたします。
人間ドック・検診における再検査・精密検査の違いとは?

人間ドックや健康診断の結果、「再検査」や「要精密検査」の判定を受けることがありますが、この2つの検査には明確な違いがあります。それぞれの検査の意味を理解しておきましょう。
再検査とは
再検査とは、人間ドックや健康診断で異常な数値が見つかった際に、その異常が一時的な体調変化によるものか、あるいは病気などの明確な原因によるものかを見極めるためにおこなわれる検査です。再検査は、基本的に初回の人間ドック・健康診断と同じ内容で実施されます。再検査の結果、異常が見られなければ、「初回の異常値は一時的な体の変化によるものだった」と判断されるのが通常です。しかし、再検査でも異常値が検出された場合は、さらに詳しい原因を調べるために精密検査が必要になります。
精密検査とは
精密検査とは、人間ドックや健康診断、あるいは再検査で明らかに異常な数値が検出された場合に、「その異常がどのような原因疾患によって引き起こされているのか」「治療が必要なのか」を確認するためにおこなわれる、より詳細な検査です。人間ドックや再検査の目的が異常の有無を確認することであるのに対し、精密検査の目的は「見つかった異常の原因を探ること」です。検査内容は、検出された異常によって異なりますが、MRI検査やCT検査、内視鏡検査など、より専門的で高度な検査がおこなわれるのが通常です。
人間ドックの精密検査に行かないのは大丈夫?
人間ドックや健康診断で要精密検査と判定されても、「自覚症状がないから大丈夫」と、そのまま放置してしまう方がいます。また、「忙しいから」と受診を先延ばしにしている方も少なくありません。精密検査を受診しないことによるリスクを確認しておきましょう。
精密検査になった時の病気の発見率

※全国がん検診実施状況データブック<2023>|全国がん検診実施状況データブック – がん情報サービス
上図は、全国がん検診実施状況データブックに掲載されているがん検診の実績データで、胃がん(エックス線・内視鏡)、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんについて以下の項目が示されています。
- 受診者数:がん検診の受診者数
- 要精検率:がん検診受診者のうち、「要精密検査」と判定された人の割合
- 精検受診率:「要精密検査」と判定された人のうち、実際に精密検査を受けた人の割合
- がん発見率:がん検診受診者のうち、がんが発見された人の割合
- 陽性反応適中度:「要精密検査」と判定された人のうち、がんが発見された人の割合
たとえば、胃がん(内視鏡)検診では「要精密検査」となった人のうち4.10%(1,000人中41人)でがんが発見されています。同様に、大腸がんは2.98%(1,000人中29.8人人)、乳がんは5.41%(1,000人中54.1人)、子宮頸がんでは6.53%(1,000人中65.3人)です。これは決して少ない数値ではありません。
一方で、精密検査を受けていない人も一定数いることが分かります。たとえば、胃がん(X線)検診では約17%、子宮頸がん検診では約23%の人が「要精密検査」となっても検査を受けていません。精密検査を受診しないでいると、早期発見の機会を逃し、がんの進行を許してしまう可能性があります。
人間ドックで検査する病気は早期発見・治療が重要
プロセス指標のデータからも分かるように、精密検査を受けたことで一定数の人が、がんを早期に発見することができています。要精密検査という結果は、決して軽視できるものではありません。にもかかわらず、精密検査を受診していない人が一定数いるのが現状です。
精密検査で病気が見つかったとしても、自覚症状がない段階での発見は早期の状態であることがほとんどです。病気は早期発見ができれば治療の選択肢が広がり、完治につながる可能性が高まるほか、治療による身体的・経済的な負担も軽く済みます。
一方で、精密検査を受診せずにいることは、潜んでいる病気の進行を許す可能性があり、将来的に大きなリスクを抱えることになりかねません。要精密検査の判定は、自分の健康状態を正確に把握し、適切な対策を講じるための「機会」です。自覚症状がなくても、すみやかに精密検査を受診しましょう。
再検査・精密検査を受ける場所について

人間ドックや健康診断で「再検査」や「要精密検査」と判定された場合、「検査をどこで受けるべきか」で悩む方もいらっしゃるでしょう。同じ病院で検査を受ける場合と、別の病院で検査を受ける場合に分けて、メリットや注意点をご説明します。
①同じ病院で検査を受ける場合
人間ドックや健康診断を受けたのと同じ病院で再検査・精密検査を受けるメリットは、検査までがスムーズに進むことです。病院側にはすでに初回の検査情報が提供されているため、手続きなどの手間が省けます。検査情報が適切に引き継がれることで、担当医と密に連携できるのもメリットです。もちろん紹介状は不要ですし、初診料がかからず、費用の負担も抑えられます。
なお、会社で病院を指定されている場合は基本的に、同じ病院で再検査・精密検査を受けることになります。
②別の病院で検査を受ける場合
別の病院で再検査・精密検査を受ける場合は、自分で信頼できる病院を選ぶことができます。信頼できる病院で検査を受けることで、結果に対する納得感が高まるというメリットもあります。また、異なる視点で検査を行うことで、新たな気付きが得られる可能性もあります。
一方で、初回の検査を受けた病院からの紹介状が必要になり、紹介状がない場合は特別料金が加算されるなど、同じ病院で検査を受ける場合に比べると手間や費用がかかる傾向にあります。自分で病院を探す必要がありますが、信頼できる病院とのネットワークを有している機関で健康診断・人間ドックを受診していれば、最適な病院を紹介してもらえるので、自分で探す手間も省けます。
再検査・精密検査では健康保険が適用される?
人間ドックや健康診断は、あくまで健康状態の確認や病気の早期発見を目的としているため、原則として健康保険が適用されず、費用は全額自己負担となります。ただし、その結果に基づいて医師から再検査や精密検査を指示された場合、それらは病気の診断や治療を目的としておこなわれるため、健康保険が適用されます。そのため、自己負担額も一定の範囲に抑えられます。
なお、会社が費用を負担する健康診断で再検査や要精密検査の判定が出た場合、その費用負担は会社によって対応が異なります。
人間ドック・精密検査に関するよくある質問
「人間ドックの検査結果はいつ届く?」「人間ドックで要精密検査だったらどうすればいい?」「精密検査はいくらかかる?」など、気になる疑問にお答えします。
人間ドックの検査結果はいつ届きますか?
人間ドックの検査結果は、受診後、2週間~1ヶ月程度で届くのが一般的です。
人間ドックの検査結果が届くまでの期間は、受診した病院・医療機関によって異なります。また、検査項目数や受診者の状況などによっても前後する可能性があります。特に、検査項目が多かった場合や、詳細な分析が必要な検査が含まれる場合は、通常よりも時間がかかることがあります。
病院・医療機関によっては、医師から直接、検査結果の説明を受けられるところもありますが、多くの場合、検査結果は郵送で送られてきます。もし、指定された期間が経過しても届かない場合は、直接問い合わせて確認することをおすすめします。
人間ドックで「要精密検査」の判定が出たらどうすればいいですか?
人間ドックで「要精密検査」の判定が出たら、すみやかに精密検査を受診することをおすすめします。
要精密検査の判定は、健康状態に何らかの異常がある可能性を示しています。精密検査は、異常値の原因を特定し、治療が必要かどうかを確認するための検査です。早期に病気を発見できれば、治療の選択肢が広がり、治療による身体的・経済的な負担も軽く済みます。しかし、精密検査を受診しなければ、仮に病気が潜んでいてもそれに気付けず、進行を許してしまいます。「自覚症状がないから大丈夫だろう」などと自己判断せず、必ず精密検査を受診するようにしましょう。
人間ドック後の精密検査はいくらかかりますか?
人間ドック後の精密検査にかかる費用は、受診する病院・医療機関や検査内容などによって異なります。
人間ドック後の精密検査にかかる費用は健康保険が適用されるケースが多く、自己負担額は3割前後に抑えられます。ただし、どのような検査を受けるかは人間ドックの結果によって変わってきます。たとえば、胃の異常が疑われる場合は胃カメラや病理組織検査など、心電図に異常があった場合は心エコー検査などがおこなわれます。このように、検査の種類や範囲によって費用も大きく変わってくることは認識しておきましょう。
まとめ
健康診断や人間ドックで「要精密検査」の判定が出たら、まずは今の身体の状態を正確に把握することが大切です。自覚症状がなくても、精密検査を受診することをおすすめします。
精密検査の受診先は、ご自身が信頼できる医療機関を選ぶことが重要です。SBIメディックでは、精密検査からその後のフォローまでを含めた継続的な健康管理の場としてご利用いただくことも可能です。また万が一、精密検査で病気が発見された場合は、最適な専門の医療機関をご紹介できるネットワークを有しています。
当院では、東京駅直結の上質な空間で会員制人間ドックを受けることができ、経営者をはじめとするエグゼクティブの方々に向けた国内最高峰の予防医療サービスをご提供しています。人間ドックを中心とする「予防サポート」はもちろん、専門医のご紹介やセカンドオピニオンなどの「治療サポート」、抗加齢医療や再生医療、エイジングケア、デンタルケアなど加齢に伴い重要になる「エイジマネジメント」までを一体でご提供することで、「いつまでも若々しく健やかな人生」をお送りいただけるようサポートいたします。


